先生が、一気に単元の単語全部が導入できたらいいね、という趣旨のことをおっしゃっていた。
いやいやいやいやいやいやいや。。。
というのが、その時の正直な感想。
しかし某大学の某教授も推薦とのことだから(それは中学校の教科書全単語だっけ?)
割と真面目に考えることにした。
で、最近結構ずっと考えていた。
最初は、
セマンティックマッピングとかで興味を引き付けながら…
テストでるぞ!!みたいな活で…
チャンツを使って…
等々の案を考えていたのだけれども、
冷静になってみると、やはり全単語(本気出して)導入する必要はないのでは、と思った。
最高で半分くらいの量で済むのかも、とか。とても楽観的。
以下でそう思っている理由を書こうと思う。
サンプル単元として、上述教科書のLesson 8 "Ant Communication"を考える。
新出単語(ページ下にリストされているもの)は以下の通り:
rhapsody, trial, total, except, polar, species, exaggeration, march, procession, individual, secrete, pheromone, gather, companion, quality, guide, trail, chemical, creature, orient, warn, succeed, society, distinct, ancestor, sensor, prosper, hardworking, thus, successful, mainly, measure, quantity, conversation(レンマ数で34個)
さて、ここでいくつかのステップを踏む。
①全ての単語をdecontextualizeする必要があるか。
単語の導入となると、一般的にはリスト化して提示する等の方法が考えられる。
こういうのを多分decontextualizationという。多分。。。少なくともここではそう呼ぶことにする笑
しかし、Nation(2001)によると、そのような扱いは高頻度の語彙だけでよい。
逆に、低頻度の語彙は、Guessing from the context等のテクニックを使う機会とする。
ここで、この記事では高頻度語彙を、「JACET8000のレヴェル3以下」とする。
この基準で、「高校の教科書やセンター試験レベル」(相沢、2010)。
また、これ以上のレベルの単語は、とりあえず受容語彙でOK、とも言えるであろう。
さて、上の34のレンマのうち、レベル1-3に該当しなかったのは、
rhapsody, polar, exaggeration, orient, distinct, procession, secrete, pheromone, orient, distinct, sensor, prosper(12個)である。
この時点で、22個の単語が「本気出して導入」の候補に残留している。
②Word partsを使って楽に導入
22個の中で、
hardworking, mainly, successfully
の3つは、Word partsとしてなじみのある要素の組み合わせと考えさせると、楽に学習させられる。
つまり、これらもdecontextualization無しで良いかもしれない。(悪いかもしれない。。。)
残りは19個。
③カタカナ語からの導入
上の19語のうち、
trial, total, march, guide, chemical
の5つは、カタカナ語でなじみがある。よって、learning burdenは少ないと考えてよい。
したがって、他の語彙とは異なる扱いをすることになる。
上の①~③のステップを抜け、残った14個の単語が、Lesson最初の導入の対象語彙となる。
* * *
もちろん、上の論には相当問題がある笑
まず、JACETの3以下という設定が気に食わない方がいらっしゃるのではないか。
また、JACETで4以上だからと言って、トピック関連語であれば無視はできず、後続の授業で説明や特別な注目をしたGlossingが必要かもしれない。
Word partsやカタカナ語を使ったとしても、依然何らかの形で個別に指導する必要はあるだろう(特に発音)。
さらには単語のみならず時には(というか大抵)熟語の導入も必要だ。
また、他のLessonでこううまくはいかない可能性も(しっかりと)ある。
しかしながら、上のように単語の導入にメリハリをつける、というのは大事だと思う。
その結果、最初の授業で導入する単語が減り、一番最初に述べた理想論を現実的にしたと思う。
どっかの本の受け売りだから、更に自信もって言えるのだけども笑
まあ結局は、そのLessonそのLessonにあった対応が肝心なのでしょうね。
とか曖昧なこといって丸く収める戦法。今日はこれで堪忍ということで。ドロン。